今回は3月に行われたTポイント×ENEOSゴルフトーナメントの中継業務をレポートします。

まずテレビ朝日の機材庫で、事前に中継で使用する分の機材を集めて、必要な機材が揃っているかチェックして運搬用の台車にまとめます。今回は会場が鹿児島と遠いので、トラックに積み込んだ機材は一足早く出発し、中継車と一緒に陸路とフェリーで現場に向かいます。スタッフは後日、空路で鹿児島まで向かいました。

 

会場となるゴルフ場に到着し、ここから二日かけて中継のためのセッティングをしていきます。

機材の量が多くセッティングする範囲も広いため、カートに載せて運搬します。事故のないよう、注意を払って運転しています。晴れたので気持ちよく作業を進めることができたのですが、杉の木に囲まれたコースだったので、花粉症の人はとても辛そうでした。

今回はテレビ朝日の201中継車を使って、放送用の映像を制作しました。

VEはゴルフコースの各所に設置したカメラをケーブルでつなぎ、色や明るさなど調整のオペレート、CGチームや音声チームなど各所と映像信号のやり取りをしています。

 

ゴルフ場は端から端まで広く、カメラを設置する場所にもケーブルを引く距離や場所にも、制限や限界があります。そこで活躍するのがワイヤレスカメラ(WLカメラ)です。ハンディカメラで撮影した映像を専用の送信機につなぎ、電波に変えて飛ばします。カメラマンと送信機を持つWLマンの間にしかケーブルがないため機動力があり、様々な角度や距離から撮影できます。プレーする選手について回ったり、走って先回りしたりして臨場感のある画を狙いに行きます。今回は三台のWLカメラを使用しました。

ちなみに今回、引いたカメラケーブルの合計は10km以上にのぼりました。

そしてその飛ばした電波を、このタワーの上に設置したアンテナで受信します。担当者が無線でやり取りしてそれぞれのWLカメラの位置を把握し、都度アンテナの向きを調整して電波の受信状況を維持します。

今回のタワーは約20mあり、機材は電動の滑車で少しずつタワーの上に引き上げます。

上からの見晴らしは良いですが、風が吹くと寒さと恐怖を感じます。タワーに上る際は、ハーネスとヘルメットの着用が必須です。

こちらでは、ゴルフ場内のいくつかの場所に設置したアンテナで受けたWLカメラの映像を集約し、管理しています。各アンテナの電波の受信状況や、届いた映像を監視して不具合があれば無線機で各所に指示を出します。

さて、三日間のツアーが終了し、中継も完了したら待っているのが撤収作業です。

ゴルフ場内のあちらこちらからすべての機材を回収して、撤収漏れが無いかチェックをしてまた台車に載せていきます。期間中(特に撤収中)に雨が降ると、作業スペースが限られ、機材一つ一つ水分を拭き取ったりするので一気に作業に時間がかかるようになります。今回は多少の雨はありましたが、最終日に天気が持ってくれたのでラッキーでした。すべての作業が終わるころには、綺麗な星空が広がっていました。

 

その後、機材はテレビ朝日に帰り、機材庫で所定の位置に戻して業務完了となります。

こうして無事Tポイント×ENEOSゴルフトーナメントの中継業務を終えることができました。

このあとも、12月までゴルフツアーの中継業務は続きます。